活動概要

  1. コーポレート・プログラム
  2. エグゼクティブ・ラウンドテーブル

SVJP Top Executive Roundtable #4: スタンフォード大学の取組みに見る「メドテックの未来」

会員限定
Speaker
ロイド・B・マイナー Lloyd B. Minor
  • スタンフォード大学 医学部長 元ジョンズ・ホプキンス大学 プロボスト兼教務担当副学長
米アーカンソー州出身。外科医、医学者、教育者。ブラウン大学で生物学を学び、医学士(MD)を取得。デューク大学やシカゴ大学の研修医などを経て、1993年にジョンズ・ホプキンス大学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の教授に就任。2009年より同大のプロボスト(筆頭理事)兼教務担当副学長として教育のイノベーションなどを推進。2012年より現職として、医療事業戦略を統括する傍ら、耳鼻咽喉学、神経生物学、生物工学の教授も務める。医学者としては、1998年に世界で初めて上半規管裂隙症候群の臨床研究を報告。またメニエール病の研究における功績が認められ、2010年にProsper Meniere Societyの金賞を受賞。全米医学アカデミー会員。11歳から始めたチェロはプロ並みの腕前。著作に『Discovering Precision Health』(未邦訳)がある。
Moderator
近藤 正晃ジェームス James Kondo
SVJP 共同議長 アジア・パシフィック・イニシアティブ 専務理事 国際文化会館 理事長

メガテック企業が医療分野へ参入

アップルウォッチを使って不整脈の一種である心房細動(AFib)を検知できるか――。2017年と18年、そんな奇想天外な実験「Apple Heart Study」をスタンフォード大学医科大学院とアップルが共同で行った。アップルウォッチには電気心拍センサーが内蔵されており、約8カ月間にわたる調査期間中、40万人以上のアップルウォッチのユーザーから心拍数のデータを収集。この史上最大のバーチャル実験によって、アップルウォッチが虚血性脳卒中の主な原因である心房細動のスクリーニング検査に役立つことが明らかになった。

スタンフォード大学医学部長のロイド・マイナー氏は、「アップルウォッチの研究は大成功だった」として、テクノロジーを用いた予防医療の可能性に期待感をにじませる。

「これまでは人の健康状態をリアルタイムで把握する方法はほとんどありませんでしたが、今後は不整脈だけでなく、血糖値などさまざまな生体データを24時間チェックできるようになるかもしれません」

ライフサイエンス領域におけるイノベーションは昨今、最も注目されているテーマの一つ。とくにスタンフォード大学は近年、シリコンバレーの大手テクノロジー企業と組んで、保健・医療分野におけるさまざまな新しい取り組みを牽引している。

上記アップルの研究とほぼ同時期に始まり現在も続いているのが、スタンフォード大学医学部がデューク大学医学部やグーグルの関連会社Verilyと行っている「Baseline Study」だ。こちらもウェアラブル端末を使った実験だが、特定の病気について研究するのではなく、血液や尿、唾液、涙などあらゆる生体データを解析し、健康な状態から病気になるベースライン(基準値)を解明することを目指している。2017年に始まったこのプロジェクトには約1万人が参加し、4年間かけて被験者の健康状態の変化を追跡調査してきた。

「治療で最も大切なのは早期発見と予防です。こうしたテクノロジーを活用することで病気の予兆を捉え、より優れたスクリーニング法の開発にもつなげることができます」とマイナー氏は言う。

 

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