デジタル化の波が社会の隅々まで押し寄せ、あらゆる企業に大きな影響を及ぼしています。こうした環境変化を受け、世界の産業界をけん引する企業を多数有する日本と、世界で最も活力のあるテクノロジーのエコシステムを有するシリコンバレーの経済、政治、文化の各分野の連携が非常に重要になっています。
シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム(SVJP)は、両地域の各分野のリーダーが交流するプラットフォームを提供し、イノベーションと活力を増大させるための触媒となりつつ、社会全体が技術革新を上手く取り入れながら成熟していくための一助となることを目指しています。
「日本企業とシリコンバレーを結ぶ懸け橋になりたい」という思いから、SVJPの活動は始まりました。政治や金融の中心であるニューヨークなど東海岸と異なり、米国西海岸と日本との関係はある意味希薄でした。このことに問題意識を持つ日本の経営トップ有志がシリコンバレーを訪問し、同地を代表する多くの経営トップと意見交換をしました。そこから生まれた構想がSVJPでした。2015年春の安倍首相(当時)のシリコンバレー訪問、そして日本企業のシリコンバレー事務所設立の本格化を受け、2016年の夏に、米国側は米日カウンシル、日本側はアジア・パシフィックイニシアティブ(現 国際文化会館)が共催する形で、SVJPが正式に組織として設立されました。
SVJPは、初代共同議長であるダニエル・オキモト スタンフォード大学名誉教授と近藤正晃ジェームス 国際文化会館理事長のリーダーシップのもと大きく発展しました。毎年秋にシリコンバレーで開催されるSVJPアニュアル・リトリートは、日本を代表する経営トップと米国における先端テクノロジのリーダー達がフラットに議論し将来を展望する重要な場となりました。この対話から様々な共同プロジェクトやソリューションが生まれています。2020年からは日本の起業家もコミュニティ・メンバーとして加わり、活動の幅がさらに広がっています。
2024年1月、SVJPはサイマ・ハサンおよび間下直晃を新たな共同議長に迎え、新しいステージに入りました。世界全体の不確実性が高まるなかにおいても、揺るぎない信念のもと、日本とシリコンバレー両地域の交流を促進させる触媒としての役割を果たしていきたいと考えています。