活動概要

  1. コーポレート・プログラム
  2. マンスリー Benkyokai

3月 Benkyokai: 気候変動対策のカギを握る二酸化炭素(CO2)除去技術の最前線

Speaker
コリー・マイヤーズ Corey Myers
  • Engineer and Analyst, Lawrence Livermore National Laboratory
コリーは、ローレンス・リバーモア国立研究所において、二酸化炭素を岩石に変換するプロジェクト、CO2パイプラインの代替案、持続可能な航空オプションの分析、および二酸化炭素除去活動の監視、報告、検証のためのプロトコルの設定など、炭素管理分野の複数のプロジェクトでリードエンジニアを務めている。
2013年より二酸化炭素の排出削減と除去技術に専念している。コリーは長年、大気中の二酸化炭素を永久に除去する最も安全で安価な方法は、それを岩石に変えることだと主張している。ジョージア工科大学で機械工学の学士号を取得し、早稲田大学で工学の博士号を取得しており、ローレンス・リバーモア国立研究所に入所する前は、早稲田大学で助教授を務めていた。
Speaker
ロジャー・アイネス Roger Aines
  • Senior Advisor, Carbon Dioxide Removal/ Energy Program Chief Scientist, Lawrence Livermore National Laboratory
ロジャーは、DOE(エネルギー省)の二酸化炭素除去(CDR)のシニアアドバイザーであり、ジェリー・リッチモンド次官と協力して、DOE内および政府機関間でのCDR活動を調整している。ローレンス・リバーモア国立研究所のエネルギープログラムの主任科学者の職から、DOEに出向している。
2015年のパリ協定以来、二酸化炭素除去技術の研究に取り組んできました。ロジャーは、廃棄バイオマスの最も重要な利用法は、大気中の二酸化炭素を永久に除去することだと長年主張している。彼はカールトン大学で化学の学士号を取得し、カリフォルニア工科大学で地球化学の博士号を取得している。
Moderator
冨田龍起 Tatsuki Tomita
  • Co-Founder, Vivaldi
Vivaldi TechnologiesやOrbwebを含む、複数のテクノロジー企業を共同設立したテック起業家であり、いくつかの非営利団体も設立にも携わっている。ローレンス・バークレー国立研究所で起業家フェローも務めていた。現在、冨田はいくつかの組織でアドバイザリーや取締役のポジションを兼任している。
カリフォルニア大学でMBAを取得し、鹿児島工業高等専門学校で機械工学の学位を、北海道大学で経済学の学位を取得している。

頻発する自然災害や猛暑など世界が気候危機に直面する昨今、地球温暖化は喫緊に取り組むべき課題だが、温室効果ガス削減目標を達成するまでの道のりは遠い。そんななか、世界的に注目を集めているのが、CDR(Carbon Dioxide Removal)技術だ。3月のマンスリーBenkyokaiでは、米国エネルギー省(DOE)のCDR上級顧問ロジャー・エインズ氏と、米ローレンス・リバモア国立研究所のエンジニアで長年、炭素管理の技術開発に取り組むコーリー・マイヤーズ氏が登壇し、CDR事業の現状と課題を解説した。モデレーターは、ウェブブラウザ開発スタートアップVivaldi Technologiesの共同創業者である冨田龍起氏が務めた。

100億トンの「CO2除去」が必要

ロジャー・エインズ氏はまず、温室効果ガス削減において現在どのような課題があるかを説明した。2015年の「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)」で採択されたパリ協定において、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて1.5℃程度に抑える目標が掲げられた。これを踏まえ、米国やEU、日本は2050年までに温室効果ガスの実質「ゼロ排出」を目指している。

続きはSVJP会員のみ閲覧できます

既存ユーザのログイン